SMS(ショートメッセージ)とは?メリットやデメリット、活用方法を解説!

SMS(ショートメッセージサービス)は、携帯電話が普及した当初からのテキストベースの国際規格のメッセージサービスです。海外では多岐にわたる用途でコミュニケーション手段として利用されてきました。

最近では、日本における企業内でのSMS活用が注目を集めています。そこで本記事では、SMSの概念やMMS・Eメールとの違い、メリット、デメリットなどについて詳しく解説します。

目次

SMS(ショートメッセージ)とは?

SMS(ショートメッセージ)とは?

SMSとは「ショートメッセージサービス(Short Message Service)」の頭文字を取ったサービスです。通話用の電話回線を使用して携帯電話番号宛に文字のメッセージを送受信するサービスで、スマホや格安スマホを問わず利用できます。

SMSは電話番号を用いてメッセージのやり取りができ、一見メールと似ていますが、通常のキャリアメールや電子メールとは異なり、データ通信用の回線ではなく電話回線を使用します。そのため、銀行やWebサービス、SNSの認証、宅配便の不在通知、店舗からのお知らせなど、多岐にわたるサービスで活用されています。

しかし、SMSは画像やファイルの添付はできず、全角670文字までのシンプルな文字情報のみの送受信に限られます。通常は送信文字数に応じて料金がかかるものの、一部のサービスでは無料で利用することも可能です。

MMSやEメールとの違い

メッセージを相手に伝える方法としてSMSの他にも「MMS」や「Eメール」があります。MMSは「マルチメディア・メッセージング・サービス」を指し、携帯キャリアが提供するSMSと同様のサービスです。

MMSを用いる場合、特定の条件下(送信者と受信者が同一の携帯電話会社を利用する場合)で、電話番号またはメールアドレス宛にメッセージの送信ができます。一方、Eメールはさまざまなデバイス間で、インターネットやその他のネットワークを介して、メールアドレスを使ってメッセージの交換を行うものです。

SMSはシンプルな文字情報の伝達に適しているのに対し、MMSやEメールはテキストの長さやメディアの添付に柔軟性があります。

SMSを利用する4つのメリット

SMSを利用する4つのメリット

シンプルな文字情報の伝達に適したSMSを利用するメリットとして、次の4つが挙げられます。

  • 機種・キャリアを問わず連絡できる
  • 電話番号のみでメッセージを送信できる
  • SMS認証を利用できる
  • 到達率が高い

メリットごとの詳しい内容を解説します。

メリット1.機種・キャリアを問わず連絡できる

多くの通信技術やアプリは、特定のプロバイダーや機種でしか使えない場合があります。しかし、SMSはすべてのキャリアや機種で共通して利用可能です。

そのため、ユーザーが機種を変更したり、別の携帯電話会社に乗り換えたりしても、SMSの利用に関する特別な手続きを必要としません。さらに、最新のスマートフォンだけでなく、古いガラケー(フィーチャーフォン)でもSMSの受信・送信が可能です。

この特徴により、高齢者や技術的な進化に疎い層でもコミュニケーションの手段として活用できます。

メリット2.電話番号のみでメッセージを送信できる

SMSの送信は電話番号をもとに行われます。そのため、メールのように受信者のアドレスを知る必要がなく、電話番号だけでメッセージを送信可能です。

電話番号は頻繁に変更するものではないため、いつまでも連絡を取りやすい点も大きな魅力といえます。これらの特徴から、SMSは日常のコミュニケーションにおいて効果が高く、手軽に情報交換を行うツールとして広く利用されています。

メリット3.SMS認証を利用できる

ビジネスのセキュリティ対策としても、SMS認証を利用できる点もメリットの1つです。SMS認証は電話番号に紐づけられた確認コードを含むSMSを送信することで、本人確認を行うシステムとして広く活用されています。

特に、LINEやTwitterのようなSNSアカウントの作成時や銀行口座のログイン時に、二段階認証としてSMS認証が導入されているケースが多いです。SMS認証は不正アクセスや二重登録を防止し、なりすましを困難にすることで、安全性を高める効果があります。

ただし、SMS認証は、データ通信専用のSIMの場合は対応していないケースもあるため注意が必要です。

メリット4.到達率が高い

メールアドレスは、利用シーンやスパム対策、セキュリティの問題で変更することも少なくありません。このような変更が頻繁に起こると、メッセージの送信先が正確でなくなり、未達となる可能性が高まります。

一方、SMSは頻繁に変更することが少ない携帯電話の番号を利用するため、宛先の変更や混同が起こりにくく、高い確率で正確に受け取り手に届きます。そのため「情報を確実に相手に伝えたい」や「タイムリーにコミュニケーションをとりたい」といったシチュエーションでは、SMSの利用がおすすめです。

SMSを利用する5つのデメリット

SMSを利用する3つのデメリット

多くのメリットがあるSMSですが、いくつかのデメリットがあるのも事実です。主なデメリットとして、次の3つが挙げられます。

  • 送信する文字数が多いほど料金が高くなる
  • 一斉送信ができない
  • 番号以外の情報を把握できない
  • 画像・動画は送れない
  • 特定電子メール法に注意が必要

それぞれの詳しい内容について解説します。

デメリット1.送信する文字数が多いほど料金が高くなる

SMSは文字数に応じた料金体系が存在し、送信する文字数が多いほど、料金が高くなるという仕組みが取り入れられています。

具体的な料金体系を見てみると、全角文字「70文字まで」のメッセージは「税込み3.3円」で送ることが可能です。また、半角英数字のみを使用する場合、1,530文字まで「税込み3.3円」でメッセージを送ることができます。

しかし、文字数上限の「670文字」の長文を送る場合は「税込み33円」の料金が発生します。この点からも、メッセージの内容や使い方によっては、料金がかさむ可能性があるため注意が必要です。

一方、SMSの受信については、無料となっています。これは、受信者が意図しないメッセージを受信した場合でも、その費用を発生させないための配慮といえます。

デメリット2.一斉送信ができない

SMSは、もともと単一の携帯電話番号に短いテキストメッセージを送るためのサービスとして設計されました。そのため、複数の電話番号に同じ内容のメッセージを一斉に送信する機能は基本的に持っていません。

つまり、5人の友人に同じメッセージを送る場合、そのメッセージを5回、それぞれの電話番号宛てに送る必要があります。しかし、現在では一斉送信のニーズに応えるための様々なサービスや方法が登場しています。

たとえば、一部の法人向けサービスでは、特定のソフトウェアやインターフェースを使用することで、一度に複数の番号へSMSを送ることが可能です。

デメリット3.番号以外の情報を把握できない

SMSの基本的な仕組みは、送信者の電話番号だけを識別情報として利用するため、送信者の名前やプロフィール、アカウント情報などの詳細がデフォルトでは送られません。

そのため、SMSを受信した際、電話帳に登録されている番号からのメッセージならば問題なく識別できるものの、未登録の番号からのメッセージの場合は、送信者の具体的な情報が分かりません。

よって、未登録の番号からのSMSを受信した際に、それが信頼できる相手からの重要な連絡なのか、それとも迷惑メッセージやフィッシング詐欺の可能性があるのかを判断できず、受信者に不安を与える可能性があります。

デメリット4.画像・動画は送れない

SMSで連絡を取る上で動画や画像を送りたくなるシチュエーションもあるかもしれません。

しかしSMSではテキストしか送れず、動画・画像は送れません

動画・写真を送りたい場合はダウンロードできるURLや該当するサイトのURLを本文に貼り付けると良いでしょう。

本文中に動画・画像に乗せたい場合はサイトそのものを作ったり、その他メールサービスを利用することを検討してください。

デメリット5.特定電子メール法に注意が必要

企業が広告・宣伝でSMSを使用する場合は「特定電子メール法」に注意する必要があります。

特に注意すべきは以下です。

・事前に受信者から同意(オプトイン)を得ること
受信者が配信停止(オプトアウト)できるようにすること

これらを違反すると懲役・罰金が課せられる恐れがあります。

また上記以外にも規制内容があるため、事前に確認するようにしましょう。

SMSの活用方法6選

SMSの活用方法4選

SMSの具体的な活用方法として、次の4つが挙げられます。

  • 本人認証(SMS認証)
  • 定期案内の通知
  • 日程のリマインド
  • 無断キャンセルの防止
  • アンケート調査
  • 業務連絡

それぞれの詳しい内容について紹介します。

1.本人認証(SMS認証)

SMSを用いた本人認証(SMS認証)は、携帯の電話番号を活用してユーザーの確認を行う方法として多くの企業で採用されています。この認証形式は、直接的に利用者にメッセージを届けることができます。

さらに、一般的な電子メールとは異なり、それぞれのSIMカードに1回のみの設定が施されるので、不正利用のリスクを削減することが可能です。加えて、携帯電話の番号は各キャリアが免許証などを通じて確認して付与するため、セキュリティ上の安全性が高まります。

2.定期案内の通知

SMSの特徴として「受信者の端末がオフラインであってもメッセージは後から確認できる」や「広範なユーザーに手軽に情報を伝達できる」といった点が挙げられます。これらの特徴を活かし、多くのビジネスやサービス提供者はSMSを通知手段として活用しています。

具体的には家賃の支払い期限、保険の更新期限、病院での検診の予約日時など、利用者に対して定期的な案内や通知が必要なケースです。定期案内の通知によって、利用者は重要な情報を見逃さずに確認できます。

3.日程のリマインド

 SMSはほぼリアルタイムで受け取ることができます。これは、面接や説明会のような重要な情報の変更や更新を迅速に通知するのに役立ちます

たとえば、面接や説明会の日程通知を伝える際、日中に電話ができない求職者へも、SMSを用いれば確実にメッセージを届けることが可能です。このように文字として情報が残るSMSは受信者が好きな時間に確認しやすいため、送信者と双方の確実なコミュニケーション手段として有効といえます。

4.無断キャンセルの防止

予約者あてに事前にSMSを送ることは、無断キャンセルの回避に効果的です。特に、日常の多くのメールに埋もれることがある予約確認の情報と異なり、SMSは「重要度が高いもの」として認識されやすく、その信頼性によって無断キャンセルの回避が期待できます。

また、無断キャンセルがあった場合には、キャンセルポリシーの案内を送り、キャンセル料の回収も可能です。SMSの信頼性を最大限に活用し、ネット予約のキャンセル防止対策を強化しましょう。さらに、キャンセル待ちの人へのスムーズな案内や機会損失の防止にもつながります。

5.アンケート調査

顧客に対してアンケート調査をする際もSMSは有効です

SMSはメールより到達しやすく、スマホから直接返信できるため回答を得やすいと考えられます。

また顧客の電話番号の情報から直接送れるため配信作業も楽に行える点も利点です。

ただし先述したように「特定電子メール法」に従って、顧客に事前にアンケート送信の同意を得る必要があるため注意しましょう。

6.業務連絡

SMSは業務連絡のために使われることもあります。

従業員の中にはプライベートのLINEやメールアドレスを教えたくない場合も多いため、電話番号だけで連絡できるSMSが有効です。

また人材派遣会社など多くの人員に効率的に連絡をするためにも利用されることもあります。

ただし個人のスマホでのSMSの利用は情報漏洩の可能性があるため、顧客の個人情報などは送信しないことが望ましいでしょう。

SMSの送り方

SMSを送る際は端末によって送り方が異なります。

  • iPhone(iOS)
  • Android
  • ガラケー
  • パソコン

上記のそれぞれの端末ごとの送り方を確認しておきましょう。

iPhone(iOS)

iPhoneでのSMSの送信は、最初から入っている「メッセージ」アプリから行えます。

  1. 「メッセージ」のアプリをタップ
  2. アプリの画面の右下にある鉛筆のアイコンをタップ
  3. 送信したい相手の電話番号を入力、または送信先を選択する
  4. 文章を入力して送信

Android

AndroidからSMSの送信は、「電話帳」アプリから行えます。

  1. 「電話帳」のアプリをタップ
  2. 「新規作成」をタップ
  3. 送信したい相手の電話番号を入力、または電話帳から選択
  4. 文章を入力して送信

ガラケー

ガラケーでは機種によって異なりますが、一般的には以下の方法で送信できます。

  1. 「メール」もしくは「SMS」を選択
  2. 送信したい相手の電話番号を入力
  3. 文章を入力して送信

パソコン

SMSはスマホと連携することでパソコンから送ることも可能です。

Windowsの場合

Windows11からは、標準機能でiPhone、Androidと連携ができるようになりました。

  1. 「Windowsにリンク」というアプリをインストールする
  2. パソコンのメニューから「スマートフォン連携」を起動する
  3. スマホとペアリングしてSMSを送信

Macの場合

iPhoneを持っている場合は、同じAppleAccountにサインインしていれば、iMessageを利用して文章を送ることが可能です。

一方Androidを持っている場合はブラウザ上で連携することで送信できます。

Safariからパソコン版のGoogleメッセージを通してペアリングして、メッセージを送れるので確認してみてください。

まとめ

まとめ

SMSはキャリアや機種を問わずメッセージのやり取りができるサービスです。メッセージの送信コストを抑制できるのはもちろんのこと、到達率や視認性が高いため、企業内でもさまざまなシーンでの連絡手段として注目されています。

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