ECマーケティングとは?代表的な集客方法やRPA活用事例を徹底解説!
ECサイトの利用率増加にともなって、目にする機会が増えた用語が「ECマーケティング」です。ECサイトに関連したマーケティングですが、従来のマーケティングとどう違うのか理解している方は少ないでしょう。
当記事では、ECマーケティングの概要と代表的な集客方法、RPA活用事例、マーケティングとの違いについて解説します。
ECマーケティングとは?
「ECマーケティング」とは、ECサイトに適したマーケティングのことです。従来のマーケティング同様、ECマーケティングも自社ECサイトを訪問した消費者に商品・サービスを購入してもらい、自社の利益を向上させるために行われます。
マーケティングとの違い
自社の利益向上を目指すという目的で行われるECマーケティングとマーケティングですが、両者の違いは特徴です。代表的な違いとしては以下3つが挙げられます。
- オンラインでの接客
- 商圏に限りがない
- 膨大なデータを用いた分析
そもそも、マーケティングは実店舗や訪問営業など、対面販売すなわちオフラインが基本でした。そのため、販売員の態度やPOP、商品配置などが重要となります。
しかし、ECサイトはインターネットを活用した販売すなわちオンラインが基本です。したがって、サイトのユーザビリティやページ表示スピードなどが、重要となります。
オフラインでの販売だと実店舗のあるエリア、訪問営業だと自分の担当エリアが商圏です。一方、オンラインの場合、インターネットにアクセスできれば、全世界が商圏となります。
マーケティングでは、顧客のセグメントをリサーチし、その結果とマーケティング理論を利用してマーケティング施策を立案しています。ただ、オフラインであるため、取得できるデータは少なく、歴史的にみてもマーケティングは少ないデータから推論する必要がありました。
一方、オンラインが主体であるECマーケティングは顧客の流入元やサイト滞在時間、どのページを辿ったのかなど、膨大なデータを取得できます。そのため、高度な顧客行動分析が行えるようになりました。
ECサイトマーケティングにおける課題
ECサイトマーケティングにおける主な課題は次の2つです。
- 顧客の特定が難しい
- マーケティング効果が出るまでに時間・コストを要する
自社独自のECサイトでマーケティングを行う場合、顧客情報を自由に管理可能です。しかし、Amazonや楽天などのショッピングモールで出店を行う場合、取得および取り扱える情報には限界があります。
また、商品の購入者ユーザーと決済をするユーザーが違うケースも少なくないため、顧客の特定も簡単ではありません。ECマーケティングを行う際は、収集したデータが適切かつ信頼できるのかどうかにも目を向ける必要があります。
ECマーケティングを実施しても、ほとんどの場合、施策の効果はすぐには現れません。効果測定や要因を特定しながら、改善していかなければならないため、時間・コストがかかる懸念があります。
ECマーケティングの代表的な集客方法
ECマーケティングの代表的な集客方法として次の2つが挙げられます。
- インターネット広告
- コンテンツSEO
それぞれ詳しくみていきましょう。
インターネット広告
「インターネット広告」とは、Webサイトや検索結果ページ、スマホアプリに掲載されているインターネット上の広告のことです。新聞やCMなどの広告と比較して効果測定しやすい他、低コストでターゲットを絞って配信できることから、多くの企業で活用されるようになりました。
インターネット広告には次のような種類があります。
- バナー(ディスプレイ)広告:Webサイト上で表示されるタイプの広告
- SNS広告:SNSを活用した広告
- リスティング広告:Googleなどの検索結果ページの上部・下部に表示される広告
- アフィリエイト広告:広告収益を得ているサイトに掲載しているもらう広告
コンテンツSEO
「コンテンツSEO」とは、SEO対策の1つで、ユーザーの検索意図を捉えた質の高いコンテンツを継続発信して、自然検索から集客増加を目指す施策のことです。
検索ニーズ(意図)を分析したうえでキーワードなどを選定し、ユーザーの疑問を解決できるコンテンツを作成し、必要に応じて内容をリライトしながら効果の最大化を目指します。
また、コンテンツの幅を広げたいのであれば、動画や特集記事、SNS投稿など幅広いコンテンツを配信して集客につなげるコンテンツマーケティングに取り組むとよいでしょう。
ECマーケティングにおけるCVRを向上させる4つの施策
ECマーケティングのCVRを向上させる施策として、次の4つが挙げられます。
- LPの最適化
- かご落ち対策
- レコメンド機能の追加
- UIの見直し
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.LPの最適化
「LP(ランディングページ)」とは、訪問者の購入や契約すなわちアクション誘導に特化している縦長のレイアウトページです。ECサイトからの離脱率を抑えるためには、顧客に商品・サービスが欲しいという意識を持たせるような、魅力的なLPにしなければなりません。
LPの最適化を図る場合、購入ボタンの色やデザイン、位置などを変更したり、ファーストビューを工夫したりするなどしてユーザーに興味を持ってもらうようにしましょう。
2.かご落ち対策
「かご落ち」とは、顧客が商品をカートに入れたまま、購入に至らないケースのことです。購入時の入力フォームが複雑であったり、送料・手数料がかかることが最終画面でわかったりすることなどの原因が挙げられます。
かご落ちを防止するためには、入力フォームの簡略化や送料・手数料の追加料金をあらかじめ記載しておくなどの対策を講じるとよいでしょう。
3.レコメンド機能の追加
「レコメンド機能」とは、顧客の検索キーワード・閲覧履歴などから類似品や色違い商品をおすすめとして提示する機能です。
レコメンド機能を追加することで、ECサイトの滞在時間を延ばしたり、購入単価を増やしたりする効果があります。
4.UIの見直し
「UI(User Interface)」とは、顧客の目に触れるすべての情報を指す言葉です。ECサイトでいえば、デザインやレイアウト、商品情報などすべてがUIに含まれます。
閲覧のしやすさやわかりやすさ、操作のしやすさが高いほど、顧客満足度は高まるといわれています。ECマーケティングにおいてCVRを向上させるためには、顧客の視点に立ったUIの見直しが欠かせません。
ECマーケティングにおけるリピーターを獲得する3つの施策
ECマーケティングでリピーターを獲得する施策として、次の3つが挙げられます。
- メールマガジンの配信
- ポイントやクーポンの配布
- 顧客の分析
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.メールマガジンの配信
メールマガジンを配信すれば、既存顧客に対して新商品やセールといった情報を効率よく発信できます。コミュニケーション手段としても有効なため、精度の高いメールマガジンを配信できれば、顧客との信頼関係を構築してリピーター獲得につなげられるでしょう。
近年注目を集めているのが、LINEを活用したLINEメルマガ配信です。一般的なメールマガジンの平均開封率が約10%であるのに対し、LINEメルマガの平均開封率は60%といわれており、活用する企業も増えていきました。
2.ポイントやクーポンの配布
ポイントやクーポンの配布も有効なリピーター獲得施策です。ただし、効果を高めるためには、無尽蔵に配布してはいけません。
自社のECサイトで購入履歴がある顧客に対して配布し、購入意欲の刺激、商品購入の後押しといった目的で行うことが大切です。購買行動をさらに促進したいのであれば、クーポンやポイントに有効期限を設けるとよいでしょう。
3.顧客の分析
リピーターを増やしたいのであれば、顧客分析を行いましょう。顧客分析に有効な手法が「CPM分析」です。
CPM分析とは、顧客の購入金額・回数、最終購入日からの経過日数で分類し分析する手法です。顧客分析を行えば、どの施策が有効なのか道筋を立てられるため、無駄な施策を行わず、効率的にリピーターを獲得できるでしょう。
ECマーケティングにおける3つのRPA活用事例
ECマーケティングにおけるRPAの代表的な活用事例は、以下3つです。
- SNS投稿の自動化
- 広告レポート作成の自動化
- 商品登録の自動化
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.SNS投稿の自動化
コンテンツマーケティングの一環として行われているSNS投稿を、RPAで自動化している事例です。
人が事前に作成した投稿内容をExcelにまとめておけば、RPAロボットが投稿内容を抽出し、所定時間に複数のSNSへ投稿できます。
2.広告レポート作成の自動化
社内向け広告レポート作成の自動化です。人の手で広告レポートを抽出する場合、複数のシステムからデータを抽出・ダウンロードしてレポート作成しなければならないため、非常に手間がかかります。
RPAを活用すれば、データの抽出・ダウンロードからレポート作成を自動化できる他、作成したレポートをメールに添付・送信することも可能です。
3.商品登録の自動化
自社ECサイトへの商品登録にRPAを活用している事例です。取り扱っている商品が膨大な場合や、複数のECサイトを管理している場合、商品登録が大変です。
RPAを導入すれば、人が事前にExcelにまとめたデータをもとに、ECサイトへの商品情報をロボットが自動登録してくれます。
まとめ
「ECマーケティング」とは、ECサイトを運営する際に実施されるマーケティングのことです。
従来のマーケティングと比較して「オンラインでの接客」「商圏に限りがない」などの違いがあります。オンラインの利点を活かし、幅広い集客ができる一方「顧客特定が難しい」などの課題がある他、目的別に実施できる施策も幅広いです。
したがって、ただマーケティングを実施しても、ECサイトマーケティングの効果はできません。目的を明確にするとともに必要な知識・スキルを習得し、定期的に効果測定をしていきながら、日々改善を加えていくことが大切です。
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