ECを構築する6つの方法とは?EC構築のステップと費用相場、おすすめサービスを紹介
EC事業を始めるには、ECサイトが必要です。ECサイト構築にはさまざまな手段があり、機能やコストが異なります。この記事では、ECサイトを構築する手法について、詳細を解説します。
それぞれの手法のメリット・デメリットや費用相場、EC構築の流れも解説しているので、ECサイト構築の際はぜひこの記事をご参照ください。
ECサイトを構築する6つの手法
ECサイトを構築する手法について、以下の6つを詳細に解説します。
- ASP
- モール型
- ECパッケージ
- クラウドサービス
- オープンソース
- フルスクラッチ
それぞれの手法のメリット・デメリット、代表的なサービスを解説しているので、ぜひEC構築方法の選定の参考にしてみてください。
ASP
ASP(Application Service Provider)とは、インターネット上にあるECプラットフォームを利用して自分のECショップを構築できるサービスです。
複数のECショップ運営企業が、同じプラットフォームを利用します。ASPのメリットは、短期間でECサイト開設が可能という点です。
ASPではカート機能や会計機能、販売管理などECサイト運営に必要な機能が揃っています。初心者でも比較的簡単にECサイト運営を始められるほか、小規模のEC事業にも適しています。
サーバー側のメンテナンスやセキュリティはASP運営会社が行うので、自社で保守運用をしなくても常に最新のバージョンを利用できるという点がメリットです。
ASPのデメリットは、デザインや機能のフォーマットが決まっているのでカスタマイズ性があまり高くないという点です。また、自社の基幹システムや物流システムとの連携がしにくいという点もデメリットです。ASPサービスを利用してECサイトを運営する場合は、手数料を払う必要があります。
<代表的なASP>
- BASE
- STORES.jp
- Shopify
モール型
モール型のECサイトは、インターネット上のオンラインショッピングモールに自社のECショップを出店する形式です。
モール型のメリットは、ECモール自体に知名度がある場合、集客力が期待できるという点です。また、ECサイト構築のための初期費用がかからないというメリットもあります。サポートが充実しているので、初心者でも運営しやすいのも魅力です。
デメリットは、出店料や手数料、月額使用料がかかるという点です。また、多数のショップが出店しているので、競争が激しくなる傾向にあります。デザインは出店しているモールの標準のものになるので、デザインにこだわることはできません。顧客情報も、モール側で管理します。
<代表的なモール>
- 楽天市場
- Amazon
- Yahoo!ショッピング
ECパッケージ
ECパッケージは、ECサイト運営に必要な機能がパッケージ化されているクラウドサービスです。機能がパッケージ化されているので、ゼロから構築するよりも低コストというメリットがあります。
ECパッケージのメリットは、機能が充実しているので自社の要望に合わせてカスタマイズできるという点です。セキュリティはECパッケージ提供会社が行うので、自社で対策する必要がないという点もメリットです。
デメリットは、初期費用や月額費用が高い傾向にあるという点です。また、システムを長い間使い続けるとバージョンが古くなるのでバージョンアップが必要となります。バージョンアップの際は、リニューアル費用がかかります。
<代表的なECパッケージ>
- ecbeing
- コマース21
クラウドサービス
クラウドサービスでは、クラウド環境上でECサイトを構築できます。ASPと似ていますが、カスタマイズ性がASPよりも高いのが特徴的です。サーバーのメンテナンスやバージョンアップが不要というメリットがあります。
クラウドサービスのメリットは、自社の要望に応じて機能をカスタマイズしたり、外部サービスと連携して機能拡張できるという点です。また、サーバーの管理が不要で、常に最新のシステムを利用できます。
デメリットは、ASPに比べ初期費用が高額だという点です。中〜大規模のEC事業に適しています。また、ソースコードは開示されていないので、自社でシステムを保守管理できないというデメリットもあります。
<代表的なクラウドサービス>
- ebisumart
- Makeshop
オープンソース
オープンソースは、ECサイト構築のためのソースコードが公開されており、誰でも無料でダウンロードしてオリジナルのECサイトを構築できるソフトウェアです。
オープンソースのメリットは、無料のソースコードを利用できるので、利用料金がかからないという点です。また、プラグインと連携して機能拡張ができ、カスタマイズの自由度が高いというメリットがあります。
デメリットは、初期費用が無料でも運用にはサーバー費や保守費用がかかるという点です。ECシステムの運用保守やバージョンアップ、セキュリティ対策は、自社で行う必要があります。
また、ECシステム構築の際は専門知識が必要です。サポート体制がないので、不明点があっても自力で解決しなければなりません。
フルスクラッチ
フルスクラッチは、ゼロから独自のECシステムを開発する方法です。開発には費用や期間を要しますが、欲しい機能を搭載した独自のECシステムを構築できます。大企業や、大規模ECビジネスに適した手法です。
フルスクラッチのメリットは、完全オリジナルのECサイトを構築できるという点です。自社が求める機能やデザインにとことんこだわることができ、自社のブランディングや独自の販売方式を確立できます。機能追加やアップデートを、自社のタイミングで行えるという点もメリットです。
デメリットは、開発や保守運用のコストが大きいという点です。フルスクラッチは開発費用や期間が最もかかる方法なので、小〜中規模のEC事業には適していません。
また、開発にあたってはECシステム構築に詳しい制作会社を選定する必要があります。ベンダー依存になる可能性があり、ベンダーの乗り換えが難しくなる場合もあります。
ECサイト構築方法の選び方
自社に適したECサイト構築方法はどれを選べばいいか、迷ってしまいますよね。この章では、目的別に適したECサイト構築方法の選び方を解説します。
独自性の高いECサイトを自社で構築したい場合
独自性の高いECサイトを自社で構築したい場合は、クラウドサービスやオープンソースを利用するのがおすすめです。
機能やデザインのカスタマイズ性が高いので、自社の要望に適したECサイトを構築するのに適しています。ただし、構築や保守運用にコストがかかる点には注意が必要です。
手軽にECサイトを構築したい場合
手軽にECサイト運営を始めたい場合は、ASPやモール型のECサイト構築サービスを利用するのがおすすめです。
初期費用も比較的安いので、小規模のECビジネスにも適しています。デザインや機能のカスタマイズ性があまり高くないという点には、注意が必要です。
大規模なECサイトを構築したい場合
大規模なECサイトを構築したい場合は、フルスクラッチやECパッケージの利用がおすすめです。
開発や運用にコストが必要なので、大規模なEC事業に適しています。自社の要望に合う機能やデザインに、徹底的にこだわることができるという点がメリットです。
ECサイトを構築するステップ
ECサイトは、以下のステップで構築します。
- 事前準備
- 構築サービスや制作会社の選定
- 制作
【1. 事前準備】
最初のフェーズでは、以下のポイントに沿って事前準備を行います。
- ECサイトのコンセプトを決める
- 事業計画を立てる
- 競合調査して、差別化できるような自社の強みを洗い出す
- 構築の手法を決める
【2. 構築サービスや制作会社の選定】
事前準備ができたら、以下のポイントで構築サービスや制作会社を選定します。
- 自社の求める機能が搭載できるか
- コストは予算に見合っているか
- セキュリティ対策はしっかりしているか
- サポート体制があるか
【3. 制作】
制作会社の選定と契約ができたら、制作会社と連携しながら以下のステップに沿ってECサイトの開発をすすめます。
- 要件定義
- サイトマップ、ワイヤーフレーム作成
- 開発(デザイン、コーディング)
- テスト
- 商品登録
- 公開
ECサイト構築の費用相場
ECサイトの6つの構築方法と、費用相場を一覧表にしました。
構築方法 | 初期費用 | 月額費用 |
ASP | 0円〜数十万円 | 安い |
モール型 | 0円〜数万円 | 安い |
ECパッケージ | 数百万円〜 | 場合による |
クラウドサービス | 数百万円〜 | 高い |
オープンソース | 0円〜(※制作費用は数百万円程度) | 高い |
フルスクラッチ | 数千万円〜数億円 | 高い |
ECサイト構築サービス5選
この章では、代表的なECサイト構築サービスを5つ紹介します。
- Shopify(有料)
- BASE(無料)
- STORES.jp(無料)
- EC-CUBE(無料)
- Makeshop(有料)
Shopify(有料)
引用:Shopify
Shopifyは、世界中で圧倒的なシェアを誇るEC構築サービスです。豊富な種類のテンプレートを利用できるので、デザインにこだわれるというメリットがあります。
決済サービスを100種類以上から選べるほか、SNS連携やストア分析といった機能があり、集客に役立てられるという点もメリットです。
BASE(無料)
引用:BASE
BASEは、ストアを無料で開設できるECサイト構築サービスです。ストア開設に特別な知識は不要でチャットによるサポートもあるので、初心者でも簡単にECサイトを始められるというメリットがあります。
クレジットカードやキャリア決済、銀行振込といったさまざまな決済方法に対応しています。Instagramと連携して、SNS集客を積極的に行うことも可能です。
STORES.jp(無料)
引用:STORES
STORES.jpは、専門知識不要で手数料も比較的安いという点が魅力のECサイト構築サービスです。利用は有料ですが、無料プランもあります。
デザインテンプレートが利用できるので、好きなデザインのテンプレートを選んで利用できる点もメリットです。
EC-CUBE(無料)
引用:EC-CUBE
EC-CUBEは、オープンソースのEC構築システムです。プラグインで機能拡張ができ、カスタマイズの自由度が高いという点がメリットです。
クラウド版とダウンロード版があり、ダウンロード版は無料で利用できますが、ECサイト構築に関する専門知識が必要です。日本語のコミュニティがあるので、困ったことがある場合はコミュニティで質問できます。
Makeshop(有料)
引用:MakeShop
クラウドサービスのMakeshopは、機能が豊富な点が魅力のECサイト構築サービスです。
100種類以上の豊富なテンプレートを利用できるので、自社の希望に合うデザインを選んでECサイトを構築できます。デザインにこだわりたい場合は、HTMLやCSSでカスタマイズすることも可能です。
まとめ
ECサイト構築には、6つの代表的な手法があります。小規模なECビジネスならASPやモール型、大規模なビジネスの場合はフルスクラッチやクラウドサービスが適しています。
ECサイト構築サービスを選定する際は、開発や運用のコストが予算に見合っているか、実現したい機能を実装できるかという点を重視するのがおすすめです。ECサイト運用にあたっては、商品登録や売上管理、お客様対応などさまざまな事務作業が発生します。
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