RPAに運用ルールが必要な3つの理由|策定の流れや順守するコツを紹介

RPA(Robotic Process Automation)とは、人がパソコン上で行っている定型業務を自動化できるソフトウェアロボット技術です。RPAの導入によって業務を自動化できれば、人手不足の解消や業務効率化など、様々なメリットが得られます。

しかし、各従業員が勝手にRPAを使用してしまうと、無駄なコストが発生したり、大きな損失につながったりなどの不利益を被りかねません。今回はRPAに運用ルールが必要な理由やルール策定の流れ、遵守させるコツについて紹介します。

目次

RPAに運用ルールが必要な3つの理由

RPAに運用ルールが必要な3つの理由

RPAに運用ルールが必要な理由として次の3つが挙げられます。

  • 無駄なコストが発生する
  • 思わぬミスが誘発される
  • トラブルの発生時に対応できない

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.無駄なコストが発生する

RPAは上手く活用できれば、利便性の高いツールです。しかし、利便性ばかりを追い求めて、ロボットを大量に作成してしまうと、稼働状況が把握しづらくなり、管理コストがかさむリスクがあります。

無駄なコストを発生させないためには、各RPAの費用対効果を算出したうえで、ロボットを作成する必要性についての判断が必要です。

2.思わぬミスが誘発される

RPAの管理が適切に行われていないと、勝手に在庫数を変更したり、顧客データを書き換えたりするなど、誤った操作が行われるリスクがあります。

誤った操作が行われ続けた結果、大きな損失につながる恐れがあります。ミスを誘発させないためには、運用ルールの策定・見直しが欠かせません。

3.トラブルの発生時に対応できない

トラブルの発生時に対応できなくなるのも、RPAの運用ルールが必要な理由です。運用ルールが明確でないと、ロボットの作成者が分からないという事態に発展するリスクがあります。

作成者が分からないと、誤作動や稼働停止といったトラブルが発生しても、適切な対応が行えません。運用ルールを策定していれば、トラブルが発生しても作成者に稼働状況の確認・修正などを迅速に相談できるため、早急な対応が可能です。

RPAの運用ルールを策定する際の流れ

RPAの運用ルールを策定する際の流れ

RPAの運用ルールを策定する際の流れは次の5ステップです。

  1. RPAの特性を理解する
  2. 業務フローを整備する
  3. 運用マニュアルを制作する
  4. 責任者を決定する
  5. トラブルへの対処方法を明文化する

それぞれ詳しくみていきましょう。

ステップ1.RPAの特性を理解する

RPAの役割範囲を明確にするために、各RPAの特徴や相違点を可視化し、RPAの特性を理解しましょう。現状の業務フローにそぐわないのであれば、このタイミングで活用の見直しを図ります。

しっかり見直しておかないと、ステップがある程度進んだタイミングで、イチからやり直しという事態にもなりかねません。工程の巻き戻しを起こさないためにも、万全を期すことが大切です。

ステップ2.業務フローを整備する

RPAはパソコン上で行う定型業務であれば、ほぼすべての単純作業を自動化できます。ただし、業務フロー次第ではすべての業務をRPAで自動化できるとは限りません。

そのため、まずはどの業務までをRPAで自動化し、どこからアナログで作業するのかを定義付けていきます。RPAで自動化する業務領域については、どのステップで作業を進めていくのかを要件定義し、業務フローを整備しましょう。

ステップ3.運用マニュアルを制作する

業務フローを整備しRPAの運用が現実味を帯びてきたら、実際にRPAを活用する対象者に向けて、操作方法や初期設定、簡易的な設定変更方法などを記載し、運用マニュアルを制作します。

また、仕様の変更などがあれば、内容を更新していく必要があります。そのため、運用マニュアルを制作したらといって終わりというわけではありません。

ステップ4.責任者を決定する

誰がRPAを開発したかを運用マニュアルに記載し、RPAの修正・不備が発生した際には責任を担保できる体制を整備しましょう。また、登録後には証書の発行も合わせて行っておくことをおすすめします。

トラブル発生時に迅速な対応を行うためには、RPAの開発者の明確化が欠かせません。したがって、責任者の決定はガバナンスにおいて重要なステップとなります。

ステップ5.トラブルへの対処方法を明文化する

RPA運用ルールの策定とあわせて行っておくべきなのが、トラブルへの対処方法についてです。RPAの運用ルールを策定するにあたり、想定されるトラブルを洗い出し、そのトラブルをどのように解決していくのか、対処方法を明文化しておきましょう。

また、誤作動を事前に防止するためにも、RPA使用者に対して明文化した対応手順を忘れずに周知しておくことも大切です。

運用ルールを遵守させる3つのコツ

運用ルールを遵守させる3つのコツ

運用ルールを遵守させるコツとして次の3つが挙げられます。

  • 定期的に内容を見直す
  • 社内教育を徹底する
  • 運用ルールの細分化を推奨する

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.定期的に内容を見直す

運用ルールの内容は定期的に見直す必要があります。RPAの導入当初は問題なくても、運用を重ねていけば、現状とそぐわないルールが発生したり、保守担当者や運用体制が変更したりしている可能性があります。

そのため、定期的にRPAの稼働状況や業務分析を実施し、現行の運用ルールが適切かどうか直すことが大切です。

2.社内教育を徹底する

社内教育を徹底することも運用ルールを遵守させるコツの1つです。マニュアルを策定していても、運用が上手く行かなければ、担当者に問い合わせが殺到したり、個人が独自に運用ルールを作ってしまったりする可能性もゼロではありません。

正しく運用していくためには、運用ルールを周知するとともに、研修などを実施して社内教育を徹底していく必要があります。

3.運用ルールの細分化を推奨する

運用ルールを遵守させるのであれば、ルールの細分化を推奨します。RPAの利用者によって、業務の範囲や役割は異なるため、1つの運用ルールをすべての利用者・業務に適用するのは現実的ではありません。

RPAの利用者・業務範囲ごとに運用ルールの対象者を定めて、それぞれに適したルールを策定するなど、運用ルールを細分化することをおすすめします。

まとめ

まとめ

今回はRPAに運用ルールが必要な理由やルール策定の流れ、遵守させるコツについて紹介しました。RPAは人手不足の解消や業務効率化などに寄与できる素晴らしいツールですが、運用次第では無駄なコストが発生したり、大きな損失が発生したりするなどのリスクがあります。

これらのリスクをできるだけ低減し、RPAを上手く活用していくためには、RPAの運用ルール策定が必須です。ただし、運用ルールを策定しただけでは、本当の意味でRPAの利用を統一化することはできません。

運用ルールの細分化や、RPAの稼働状況に応じて運用ルールを定期的に見直すなどして、運用ルールを遵守させる体制を構築しておくことが大切です。RPAの運用ルール策定でお困りの際は、ぜひFULL TIMEにご相談ください。

FULLTIMEでは、RPAの導入を検討しているものの、どのように運用・活用してよいか分からない企業を対象に、RPA導入のサポートをしています。RPAの導入事例や活用方法、運用ルールの策定方法のポイントなどを知りたい方は、ぜひ一度お問い合わせ下さい。

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