【2022年最新!】無料RPAツール4つを特徴・使い勝手の良さ・注意点を徹底解説
人手不足の解消や業務効率化などの観点から、近年多くの企業で導入されているのが「RPAツール」です。業務負担を軽減できるツールとして注目を浴びる一方、導入・運用コストが気になり導入に踏み切れない企業も多いとされます。
そのような場合におすすめするのが、コストを抑えてスモールスタートできる「無料のRPAツール」です。当記事では無料RPAツールの特徴や使い勝手の良さ、注意点について解説します。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)とは、「ロボットによるプロセス自動化」という意味を持つ造語および概念です。一般的には、RPAツールと呼ばれる業務自動化ツールを指します。
RPAツールを使用すれば、「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」と称されるロボットが人間に代わって業務を担い、日々の業務を自動化することが可能です。
無料RPAツールの特徴やメリット・デメリット
次の3項目に分けて無料RPAツールの概要を説明していきます。
- 特徴
- メリット
- デメリット
無料PRAツールを使いこなすためにも、ここでは各項目について詳しくみていきましょう。
特徴
無料RPAツールには「機能制限がなく完全無料で利用できるタイプ」と「試用期間や機能制限が設けられるタイプ」の2種類があります。
完全に無料で利用できるタイプは使用期間などが設けられていません。しかし、ツールによっては機能やアカウント数などの制限が設けられています。
一方、試用期間が設けられるタイプの無料RPAツールの場合は、期間の終了後にツールの購入や月額・年間契約を結ぶ必要があります。また、試用期間ではなく、サポートなどの一部サービスが利用できないというケースも少なくありません。
メリット
無料RPAツールのメリットとして次の2つが挙げられます。
- コストがかからない
- RPAの使用感を確かめられる
無料RPAツールを使用する場合、導入や運用にかかるコストが発生しません。そのため、本来ツールに割かなければならなかったコストを社内のIT人材育成に割り振れます。
また、無料でRPAツールの使用感を確かめられる点も大きなメリットといます。コストをかけて導入したものの、想定していた内容と異なるといった事態を回避できるでしょう。
デメリット
無料RPAツールのデメリットとして次の2つが挙げられます。
- サーバー上での管理ができない
- 各制限が設けられている可能性がある
- サポートが受けられない
無料RPAツールの場合「バックグラウンド実行」や「スケジュール実行」といった機能が提供されていないケースもあります。そのため、自社が必要とする機能次第では、無料RPAツールは向かない可能性があります。
また、多くの無料RPAツールには「利用期間」や「機能制限」といった何らかの条件が設けられるのが一般的です。よって、無料の範囲で利用できる機能を事前に確認しておかなければなりません。
さらに、メールや電話によるサポートを受けられない場合もあります。RPAを自社で構築していく場合、提供会社によるサポートは欠かせません。社内にRPAの構築に関する人材やノウハウが乏しい場合には大きな問題となりえます。
無料のRPAソフト4社比較
無料のRPAソフトとして次の4社を比較していきます。
- UiPath Community Edition(UiPath Automation Cloud)
- Microsoft Power Automate Desktop
- Automation Anywhere Community Edition
- マクロマン
それぞれ詳しくみていきましょう。
UiPath Community Edition(UiPath Automation Cloud)
「UiPath Community Edition(UiPath Automation Cloud)」はUiPath社が提供するRPAツールです。利用者の多いRPAツールの1つで、開発人材や知識が充実しているのが特徴です。
ツール自体も頻繁に改善されており、スペックは現在も向上し続けています。また開発をサポートするツールの「Studio X」やWeb上で開発・自動化できるツールの「Apps」も使用可能です。
ツール自体のクオリティが高く、小規模から大規模に至るまで対応しているため、幅広い企業で活用できるでしょう。一方、開発にあたっては「VB.net」や「C#」の知識が必要です。
また、ツールの更新が頻繁に行われるため、随時ナレッジを更新する必要がある点に注意が必要です。
Microsoft Power Automate Desktop
「Microsoft Power Automate Desktop」はMicrosoft社が提供しているRPAツールです。2021年3月にWindows10を対象に無償で提供されました。
実質的に完全無料で利用できるRPAツールで、専門的な知識がなくても簡単に自動化できます。また、Microsoft社が公式のe-learningを提供しており、RPAに関するある程度の知識があれば、学びながらでも操作できるでしょう。
一方、サーバー上での管理やMicrosoft社が提供するAIとの連携ができない点はデメリットになりえます。さらに、UiPathと比べると日本での開発者やナレッジが少ない点には注意が必要です。Microsoft Power Automate Desktopは小規模向けのツールであり、大規模な自動化には向かないことも考慮しておきましょう。
Automation Anywhere Community Edition
「Automation Anywhere Community Edition」はAutomation Anywhere社が提供しているRPAツール「A2019」の無料版です。
Web上での開発ができ、場所やデバイスを問わず開発できます。また、使用できる範囲も「UiPath」と同様で、UiPathの操作に慣れている方であれば問題なく使用できるでしょう。
一方、サーバー上での管理やバックグラウンド実行などの機能面では、不足を感じるケースも考えられます。ただし、公式から提供されているe-learningは充実しているため、自動化に向けた基本環境は整っています。
マクロマン
「マクロマン」はコクーが提供する国産のRPAツールです。これまで紹介したツールとは異なり、無料ツールでも制限なしで全機能を使用できます。
ただし、サーバー管理やAI連携といった機能は搭載されません。また、ネット上にもナレッジが少なく、e-learningも提供されていないため、公式マニュアルやユーザーフォーラムなどを参考に自力で開発する必要があります。構築に自信がない場合は有償のサポートサービスの利用も検討しましょう。
有料のRPAソフトを使用する必要があるケース
有料のRPAソフトが必要なケースとして次の2つが挙げられます。
- 大規模で業務をRPA化する場合
- サポートを必要とする場合
それぞれ詳しくみていきましょう。
大規模で業務をRPA化する場合
大規模な業務をRPA化する場合は有料ソフトを選択するほうがよいケースがあります。RPAはロボットに業務を覚えさせて自動化するため、規模が大きくなるほどロボットの数も多くなります。
特に、デスクトップ上でロボットが稼働するタイプのRPAは、パソコンのスペックに大きく依存します。そのため、稼働するロボットが増えるとパソコンに負荷がかかり、エラーが頻発する可能性があるのです。
エラーが発生すると当然、作業が停止してしまうため、事業にも大きな影響を及ぼします。よって、実行時間やロボットの稼働状況、エラーなどをWeb上で監視したり、ロボットをサーバー上で稼働させたりといった対策が必要です。
有料ツールの多くには、これらの機能が基本機能として備わっています。稼働するロボットが20を超えてくるとエラーが起きやすくなるともいわれています。
サポートを必要とする場合
前述の通り、RPAのロボットはパソコン環境や他のシステムに依存します。また、それらを原因としたトラブルが起こるケースも少なくありません。
簡単な内容のトラブルであれば、ユーザーフォーラムでも解決できるでしょう。しかし、システムや環境が関係する専門的な内容の場合、自力での解決が難しい場合もあります。
多くの有料のRPAツールにはサポートデスクや遠隔支援、勉強会といったサポート体制が整っています。特に、社内にRPAの知識を持った人材がいない場合は、サポート体制が整う有料のRPAソフトの利用を検討しましょう。
どのツールを使うかよりどうやって開発するかが大事
RPAツールには「無料版」と「有料版」に大きく分かれ、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあります。
ただし「使用感をまずは確かめたい」や「導入やランニングにかかるコストを抑えたい」といった場合は、無料のRPAツールをおすすめします。
一方「大規模の業務をRPA化する」や「サポートを必要とする」といった場合は有料のRPAツールを使用した方がよいでしょう。
ただし、重要なのはどう開発するかであり、どのツールを使用するかではありません。RPAツールを選ぶ際は無料か有料ではなく「自社がRPAを構築する目的を達成できるか」といった点で判断する必要があります。
弊社アスニカではRPAの導入前も導入後も、専門コンサルタントがしっかりサポートします。RPAに関するさまざまな不安や疑問はぜひ一度ご相談ください。