RPAにおける「内製化」とは?メリットやデメリット、流れをわかりやすく解説!
RPAの導入・開発を行う方法は「内製化」と「外注」の2つです。どちらもメリット・デメリットがありますが、長期間にわたってRPA運用するつもりであれば、内製化に向けて体制を整備することをおすすめします。そこで本記事では、RPA内製化の概要やメリット・デメリット、内製化する際の流れについて解説します。
RPAにおける「内製化」とは?
RPAにおける「内製化」とは、RPAで自動化する業務の洗い出し・要件定義からテストまでのすべての工程を社内で行うことです。反対にRPAの導入・開発業務を外部の開発会社に委託する場合は、「外注」となります。
RPAを内製化する4つのメリット
RPAを内製化するメリットは次の4つです。
- 導入・運営にかかるコストを削減できる
- 社内にナレッジが蓄積される
- トラブル時の即時対応が可能になる
- 柔軟にカスタマイズできる
それぞれ詳しく解説していきます。
1.導入・運営にかかるコストを削減できる
RPAを外注したり、外部のエンジニアを招聘して常駐させたりする場合、初期段階から高い費用がかかります。開発終了後の運用・保守を外注すると、これらにも費用がかかるため、長期的にコストがかかります。
一方、RPAを内製化すると、最初の教育などで人件費はかかるものの、外注するよりも導入にかかるコストの削減が可能です。また、自社で保守・運用が行えるようになれば、外注する必要がなくなるため、追加費用も発生しません。
2.社内にナレッジが蓄積される
ナレッジとは知識・知見という意味を持つ言葉です。RPAの内製化ができれば、社内にナレッジが蓄積されていきます。
社内にナレッジが蓄積されれば、RPAロボットを前回よりもスムーズに開発が行えるようになります。また、RPAを扱える従業員の増加につなげられるため、社内全体で業務自動化・効率化の推進が可能です。
3.トラブル時の即時対応が可能になる
RPAの内製化によって、社内にナレッジが蓄積されれば、トラブル時の即時対応も可能となります。運用が本格化されれば、RPAはミスなく作業をこなせますが、手順が変わったり、別システムで障害が発生したりした場合、RPAにトラブルが起きる可能性があります。
RPAがストップした結果、社内全体の業務がストップした事例も存在することから、RPAにトラブルが起きた際は早急に改善しなければなりません。外注だと迅速な対応が行えない場合がありますが、内製化できれば即時対応できるため、トラブルの早急な解決が可能です。
4.柔軟にカスタマイズできる
近年、様々なRPAツールが登場していますが、すべてのツールが自社システムと適合するわけではありません。そのため、既製品を導入したのに想定した費用対効果を得られなかったという事例も多いです。
RPAを内製化できれば、自社が使用しているシステムや業務手順などに合わせて機能をカスタマイズできます。スキル次第で自社の求めるRPAにカスタマイズできるのは、内製化する大きなメリットといえます。
RPAを内製化する3つのデメリット
RPAを内製化するデメリットは次の3つです。
- エンジニアの業務負荷が高まる
- 開発が進まないケースもある
- 専門家からアドバイスを受けられない
それぞれ詳しく解説していきます。
1.エンジニアの業務負荷が高まる
エンジニアの業務負荷が高まるのが、RPAを内製化するデメリットです。社内エンジニアはすべてに別業務を抱えているケースが非常に多いため、手が空いている人材はいないことがほとんどです。
既存業務を抱えている状態で、RPAを内製化してしまうと、社内エンジニアは既存業務を行いながら、RPA開発を行わなければなりません。そのため、社内エンジニアの業務負荷が高まる可能性があります。
2.開発が進まないケースもある
エンジニアの業務負荷が高まった結果、その負担に耐えられずエンジニアが退職したり、体調を崩したりして短期間で担当者が交代するという事態にも発展しかねません。万が一、このようなことが起きてしまうと、RPA開発が進まなくなる可能性があります。
このような事態を回避するためには、エンジニアが抱えている業務量が適切か適宜チェックするとともに、欠員に備えて複数人を教育しておくことが大切です。
3.専門家からアドバイスを受けられない
RPA開発を外注した場合、RPAの専門家が対応してくれる他、どの業務にRPAを導入すれば効果的なのかなど、今までの知見を活かしたアドバイスを受けられます。
しかし、RPAを内製化した場合、専門家からのアドバイスを受けられません。したがって、悩みやトラブルが起きても、自力で解決していく必要があります。
RPAを内製化する際の流れは4ステップ
RPAを内製化する際の流れは次の4ステップです。
- 開発スキルを持った人材を確保する
- RPAに関する要件定義を行う
- ツールの設計・開発を進める
- 効果検証や改善を続ける
各ステップについて詳しく解説していきます。
ステップ①開発スキルを持った人材を確保する
RPA内製化には、開発スキルを持った人材が必要不可欠です。社内にエンジニアがいればRPA開発について学習してもらい、社内に人材がない場合はRPA開発経験のある人材を新規雇用しなければなりません。
また、APIやサーバー、セキュリティなどの知見を持った人材を確保しておくと、トラブルの回避・復旧を迅速に行えます。
ステップ②RPAに関する要件定義を行う
人材確保ができたら、RPAで自動化する業務やツールに必要な動作などを明確化して、RPAに関する要件定義を行っていきます。この際、重要となってくるのが、現場担当者との連携です。
業務の実態を知っているのも、運用後実際に使用するのも現場担当者です。そのため、現場担当者とも連携を取りながら、要件定義やRPAを使用した際の業務イメージを共有しておく必要があります。
ステップ③ツールの設計・開発を進める
要件定義が完了したら、ツールの設計・開発を進めていきます。開発方法はプログラム言語でイチから作成したり、オープンソースソフトウェアなどのRPAを使用したりと様々です。
業務内容や自社が使用するシステムなどを加味しながら、親和性の高いものを選ぶ必要があります。
ステップ④効果検証や改善を続ける
RPAを運用しても、想定していた費用対効果を得られなかったり、業務工程に課題点が残っていたりしています。そのため、ツール開発したら終わりではなく、運用の効果検証を行いながら、改善点を洗い出し、改善を続けていかなければなりません。
また、トラブルが発生しても迅速に対応できるようにマニュアルを作成したり、属人化しないように複数人で対応できる体制を整備したりしておくと安心です。
まとめ
今回はRPA内製化の概要やメリット・デメリット、内製化する際の流れについて解説しました。内製化とはRPA導入・開発・運用にかかわるすべての工程を社内で行うことです。
内製化を行えば、「コスト削減」や「社内ナレッジの蓄積」といったメリットを享受できます。一方、「エンジニアの業務負荷が高まる」「専門家からアドバイスを受けられない」といったデメリットもあり、RPA導入がはじめての場合は開発に失敗する可能性もあります。
大事なことはRPA導入の成功であるため、コストや自社状況を加味しながら、内製化するか、外注するか慎重に検討しなければなりません。
もし、RPAの導入を検討しているものの、どのように運用・活用してよいのか分からないという場合や、RPA導入は外注したいという場合は、ぜひFULL TIMEにご相談ください。
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