営業部門にはRPAの導入がおすすめ！業務効率化と成果向上を実現する方法とは

営業現場は売上目標の達成に加えて、多くの事務処理や報告作業にも追われる毎日です。

限られた時間と人数の中で定型業務が重なり、本来注力すべき営業活動に集中できないという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで注目されているのが、RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）です。

RPAとは、パソコン上で人が繰り返し行う単純作業をソフトウェアのロボットが自動で実行してくれる技術のこと。

RPAを導入している企業は多く、営業部門でも作業時間の短縮や対応スピードの向上に役立てられています。

そこで本記事では、営業部門でよくある課題を整理した上で、どのような業務でRPAを活用できるのか詳しくまとめました。

導入のポイントや成功事例も交えながら解説しているため、利用を迷っている方はぜひ参考にしてください。

RPAソフトウェアロボットについてさらに詳しく知りたい方はこちら！
RPAソフトウェアロボットとは？産業用ロボットの違いは？

営業部門が抱えやすい課題一覧

効率化や改善策を考える上で、まずは課題を明確に把握することが重要です。

以下では、営業現場で特に多く見られる代表的な課題をご紹介します。

慢性的な人手不足により、一人あたりの業務負荷が増加しているケースは多いです。

営業活動以外の事務作業やデータ入力に時間を取られると、本来注力すべき商談や提案活動が圧迫されます。

また、営業活動で得た情報やノウハウが個人の手元に留まり、組織全体で共有・活用されにくい状況も起こりがちです。

これにより、データの入力ミスや遅延の発生、意思決定の遅れや機会損失につながることもあります。

営業部門の生産性やモチベーション低下を招き、結果として成果にも悪影響を及ぼすため、RPAを活用して改善するのがおすすめです。

RPAを活用できる営業部門の業務

以下では、営業部門でRPAを導入しやすい代表的な業務をご紹介します。

営業部門におけるRPAの活用は、ただの業務自動化ではありません。

人手がかかっていた作業をロボットに任せることで、営業担当者が本来の業務活動に集中できるようになります。

RPA化しやすい業務については、以下でも詳しく解説しています。
RPA化しやすい業務の5つの特徴を解説！部門別の例もご紹介します

書類作成・事務処理関連

営業活動では、以下のような書類の作成が日常的に発生します。

これらの書類は多くの場合、テンプレートや過去のデータを基に作成されるため、RPAと相性が良い業務です。

たとえば、販売管理システムから受注情報を自動取得し、Excelのフォーマットに転記した上で保存やメール送信まで一括処理が可能です。

また、各種申請処理や営業支援ツールへのデータ入力もRPAに任せることで、ミスの防止や作業速度の向上にも期待できます。

営業報告・入力業務

営業日報や週報、活動報告の作成は営業担当者にとって負担の大きい業務です。

しかし、RPAを導入すれば、SFA（営業支援システム）やCRMの入力作業を定型パターンに沿って自動化できます。

RPAを活用した報告作業の効率化で、営業担当者の時間と労力の削減が可能です。

顧客対応・スケジュール関連

営業活動の中で欠かせない顧客対応やスケジュール調整も、RPAの活用で効率化が可能です。

たとえば、以下のようなことができます。

営業担当者の人的リソースの消耗を抑えながら、顧客満足度の向上を目指せるでしょう。

情報収集・分析業務

競合他社の動向や業界ニュース、顧客企業の分析もRPAに任せることが可能です。

これらは営業戦略を立てる上で重要な業務ですが、時間がかかる作業でもあります。

RPAを活用すれば、指定したウェブサイトやSNSから必要な情報を自動で収集し、レポート化まで行うことが可能です。

営業担当者は情報収集に割く時間を短縮しながら、営業活動に集中できるようになります。

RPAはSFA・MAと何が違うの？

営業部門で業務を効率化するには、SFAやMAといったツールもあり、どれを選べばよいのか迷う担当者も多いでしょう。

それぞれの違いがはっきりしていないと、自社にとって必要なものを見極めるのは難しいため、以下から各ツールの役割を確認しましょう。

ツール名	役割・目的	主な機能	営業部門に 導入するメリット
SFA	営業活動の見える化・管理	・商談の進捗管理 ・ 日報共有 ・ 営業プロセスの分析	営業活動の全体把握と効率的な管理
MA	見込み顧客の獲得・育成の自動化	・ メール配信 ・ Web行動解析 ・ リードスコアリング	効果的なリード育成で営業の質の向上
RPA	ルールに基づく定型業務の自動化	・入力作業 ・データ抽出・加工	・ 定型作業の負担軽減 ・ 既存ツールの隙間業務の自動化

SFAやMAを導入していても、日々の営業活動で発生する入力作業や資料作成などの定型的な業務は残っており、手作業で続けている企業も多いのが現状です。

RPAはそうした作業を代行し、既存ツールではカバーできない部分まで効率化を実現できます。

SFAやMAの導入だけでは業務効率化が不十分な場合でも、RPAを組み合わせることで、営業部門全体の生産性向上につながるでしょう。

営業部門にRPAを導入するメリット

営業部門でRPAを活用すると、現場担当者と管理者の双方にとってさまざまなメリットがあります。

以下では特に重要な5つの効果をわかりやすくまとめました。

これらは、営業部門の業務全体をよりスムーズかつ効果的にするための重要なポイントです。

RPAの導入は単なる作業効率化にとどまらず、組織の競争力強化にもつながります。

業務時間と作業負荷の削減

単純作業に費やす時間を減らすことが、営業成績の底上げにつながります。

RPAがルーチンワークを自動化することで、本来の提案や顧客対応といった価値の高い業務に集中できるためです。

従来30分かかっていた見積書作成を10分未満に短縮できれば、営業1人あたりの生産性は大きく向上します。

人的ミスの防止と業務品質の向上

RPAは決められたルールに基づいて正確に処理を行うため、ミスを根本的に防止できます。

営業現場では入力ミスや送信漏れ・二重登録といったミスが起こりやすく、信頼損失につながるリスクも。

RPAを導入することで、結果として業務の品質が安定し、顧客の信頼性も高まるでしょう。

対応スピードと顧客満足度の向上

資料送付や見積提出、メール返信などの対応が自動化されることで、レスポンスの速度が格段にアップします。

スピーディーな対応は顧客満足度を高めるだけでなく、競合他社との差別化にも効果的です。

即時対応が可能になることで、顧客との信頼関係構築にも良い影響を与えるでしょう。

人手不足への対応とリソースの最適化

人手不足が続く営業現場において、RPAはチームメンバーとして機能します。

営業担当者が行っていた作業を自動化できれば、残った時間やリソースをより戦略的な業務に振り分けることが可能です。

また、業務の属人化を防ぎ、スムーズな引き継ぎや標準化を促進する効果にも期待できます。

コスト削減と業務の効率化

初期導入には投資が必要ですが、長期的には外注費や残業代などの人件費を抑制できる可能性があります。

たとえば、定型レポート作成や事務代行業務を内製化することで、外部コストを削減できます。

また、ミスなくスピーディーに業務を進められるため、全体の効率性も上がるでしょう。

RPAを導入した成功事例

RPAの導入を検討する際に、「本当に効果が出るのか」「自社でも成果が出るのか」と不安に感じる担当者も多いでしょう。

そこで以下では、実際にRPAを活用して成果を上げた企業の事例を2つご紹介します。

いずれも営業部門に特化したものではありませんが、営業業務と共通する定型処理の自動化に成功しています。

応用に役立つヒントが含まれているため、ぜひ一度ご確認ください。

約80%の自動化に成功した例

”なりたい”を実現するブランド「ファビウス株式会社」様の事例をご紹介します。

導入前はメール対応が手作業で行われており、労力や時間を取られてしまっている課題がありました。

そこで弊社のRPAロボットを導入し、作業を自動化したところ、2～3時間の削減を実現しています。

本来やらなければいけない業務に多くの時間を使えるようになった事例です。

営業部門でも日次データ入力や見積進捗の取りまとめなど、ルール化できる定型業務の自動化で、同様の効率化が期待できるでしょう。

その他、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ファビウス株式会社様｜朝の2~3時間が削減され、本来の業務に集中することが可能に

採用コストの抑制にもつながった例

お客さまが毎日幸せであるようサポートするための商品を販売している「株式会社クロコス」様の通販サイト「HAN.d」の事例をご紹介します。

管理部門の人手不足と業務負担が大きな課題でしたが、RPAロボットの導入により作業時間の削減に成功しました。

また、業務の効率化によってスタッフの追加採用が不要になり、販促部門の拡充に予算を割けられるようになったのも大きな成果です。

正確かつ迅速な情報処理は商談準備の効率化につながり、営業活動全体の質を高める効果およびコストの削減に期待できます。

その他、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
株式会社クロコス様 | 数日かかる業務が2時間で完了！採用コストの抑制、社員のスキルアップにも効果が

営業部門でRPAを活用するポイント

RPAの有用性は理解したものの、「実際に導入するにはどうすればよいのか？」「どこから始めれば失敗しないのか？」と悩む方も少なくありません。

そこで以下では、営業現場に適したRPA導入を成功させるための3つのポイントをご紹介します。

営業部門は、現場の動きや属人的なノウハウに依存する業務が多い傾向にあります。

単純にツールを導入するだけでは効果を発揮しにくいケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

以下では、RPAを導入して失敗する原因について詳しく解説しています。
RPA導入における失敗の原因は5つ｜失敗を防ぐコツも解説します！

業務に合ったツールを使う

営業部門の業務でRPAを効果的に使うには、既存システムとの連携や手作業が残る部分の補完がポイントです。

たとえば、以下のように業務内容に合ったツール選びが重要になります。

RPAはデスクトップ型・クラウド型・ノーコード型など、種類が豊富なため、自社の業務内容やITスキルに合ったものを選びましょう。

現場で活用できる環境を作る

RPAの効果を最大化するには、現場で継続的に使われることが必須です。

特定の担当者だけが操作できる状態だと属人化が進み、かえって業務が不安定になることもあります。

現場に浸透させるためには以下の対策が有効です。

RPAはあくまで現場の業務を支える道具のため、運用プロセスに関係者を巻き込みましょう。

まずは小さく始める

RPAは業務改善の手段として、段階的に導入するのが成功のコツです。

最初から大規模な自動化を目指すと設定が複雑化し、思わぬエラーが発生しやすくなります。 

導入初期には以下のような小さな自動化から始めましょう。

小さな成果を積み重ねることで現場の協力が得やすくなり、スムーズに範囲を拡大できます。

営業部門にRPAを導入するステップ

営業部門にRPAを導入する際のステップは以下の通りです。

まずは毎日または定期的に発生し、入力や転記の単純作業でミスが起こりやすい業務に注目しましょう。

負荷が大きく効果が見えやすい業務から着手し、一部から始めることがポイントです。

小規模な成功体験を積み重ねながら徐々に他業務へ展開し、マニュアル整備や見直しを通じて効果を持続させましょう。

RPAの費用相場については以下の記事をご覧ください。
RPAの導入にかかる費用相場｜比較する際のポイントも徹底解説します！

RPAを導入するなら「FULLTIME」がおすすめ

営業部門でRPAを導入するなら、FULLTIMEのご利用をご検討ください。

単なるツール提供にとどまらず、業務の選定からロボット設計、運用までワンストップで支援しています。

特に以下のような課題を抱えている企業におすすめです。

導入に迷いや不安を感じる場合でも、無料相談から始められるので、自社の業務を客観的に整理しながら、RPA導入の可能性を安心して検討できます。

RPA導入への第一歩を安心して踏み出せる環境が整っているため、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。

RPAに関してよくある質問

以下では、営業部門でRPAの導入を検討する際に多い疑問や不安にお答えします。

導入を迷っている方は、ぜひ事前にご確認ください。

RPAに向かない業務はある？

すべての業務がRPAに適しているわけではありません。

RPAが得意なのはルールに従った反復的な業務であり、以下のような業務には不向きです。

ただし、一部だけ自動化したり、人の判断と組み合わせたりする工夫によって効率化できる場合もあります。

RPAがあまり普及していない理由は？

RPAの普及が緩やかな背景には、以下のような理由が考えられます。

こうした課題は、外部支援サービスを活用することで乗り越えましょう。

RPAとExcelマクロ（VBA）の違いは？

どちらも業務自動化ツールですが、対応範囲や使いやすさに違いがあります。

比較項目	RPA	Excelマクロ（VBA）
対応範囲	Excel以外の業務全般 （Web・ERPなど）	Excel内での操作
利用しやすさ	・ ノーコード・ローコードで ・ 非エンジニアでも扱いやすい	VBAの知識が必要
メンテナンス性	視覚的な操作で修正しやすい	コード修正が必要
拡張性	・他システム連携や ・ 複数業務の自動化が可能	基本的にExcel限定

このように、Excelにとどまらず幅広い業務を自動化できる点で、RPAは柔軟で汎用的なツールと言えます。

さらに詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
【初心者向け】RPAとマクロの違いは5つ｜向いている業務や比較ポイントを徹底解説！

営業部門の効率化をRPAで実現し、生産性向上を図りましょう

営業部門では定型業務が多く、商談や顧客対応など価値を生む活動の時間を圧迫しているケースも多いです。

しかしRPAを活用すれば、定型業務を自動化し、限られたリソースを最大限に活かせます。

ツールや支援サービスを適切に選び、スモールスタートすることで、営業部門でも現実的に導入可能です。

業務負担を軽減し、組織全体の生産性向上を目指して、まずは一歩踏み出してみましょう。